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ソニー系、投薬時の細胞の反応を可視化 動物実験を削減

ソニーグループ傘下のソニーセミコンダクタソリューションズなど3社は3日、細胞に薬剤を投与したときの反応を可視化する技術を開発し、企業や研究機関向けに試験提供を始めたと発表した。反応を確認する精度を高められ、創薬のための動物実験を減らせるとしている。


ソニーセミコンと半導体製造装置のSCREENホールディングス、東北工業大学発スタートアップのVitroVo(ビトロボ、仙台市)が共同開発した。26年度まで実証実験し、商用化するか判断する。


ソニーセミコンが強いCMOS(相補性金属酸化膜半導体)画像センサーの技術を応用した。約32平方ミリメートルのセンサーに約24万個の電極を埋め込み、細胞一つ一つをすべて計測できる。競合の製品に比べて電極の数は9倍以上、センサーの面積は4倍ほどある。


これまでより高密度かつ大型にしたうえ、すべて電極の計測データを同時に記録・出力することで、マウスの脳の断面のような大きな細胞のかたまりを詳細に計測できる。従来は波形データから推察するしかなかった細胞の反応を、時間経過と組み合わせた動画やグラフなどで表示する。


動画の色の変化から1000分の1秒以下で変化する細胞の電気活動を視覚的に把握し、薬物が効果的に作用しているかやどんな副作用が出ているかを確認できる。


薬物の作用は一般的に動物実験を繰り返して確認する。医薬品業界では動物愛護の観点から、動物実験を取りやめる動きが広がっている。ソニーセミコンなどは新センサーにより創薬のコストや期間の短縮にもつながるとして、需要が高まるとみている。



日本経済新聞

 
 
 

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