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伊藤園、京大iPS細胞研と動物実験の代替実験法としてヒトiPS細胞やオルガノイドを活用した産学共同研究を開始

更新日:6月23日

【プレスリリース】発表日:2025年03月19日


京都大学iPS細胞研究所との産学共同研究を開始


動物実験の代替実験法としてヒトiPS細胞やオルガノイドが活用できるか検証


株式会社伊藤園(社長 : 本庄大介 本社 : 東京都渋谷区)は、京都大学iPS細胞研究所(所長・教授 : 高橋淳 研究所 : 京都府京都市左京区)の高山和雄講師(東京科学大学教授兼務)の研究グループと、動物実験の代替実験法としてヒトiPS細胞やオルガノイドを活用した産学共同研究を開始しました。


京都大学iPS細胞研究所(CiRA)は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)(※1)の研究を中心に行う機関です。2006年にiPS細胞が初めて発表されて以来、iPS細胞技術の革新を牽引しています。本研究所は、iPS細胞を用いた再生医療の開発や疾患モデルの構築、創薬研究に取組み、医学や生物学の分野で画期的な成果を上げています。また、iPS細胞を利用した個別化医療や先進医療の実現に向けた研究も進められています。加えて、基盤技術の開発と共に、社会実装を目指した応用研究を推進しています。


近年、動物実験に対する倫理的な懸念が世界的に高まっており、多くの企業や研究機関が動物実験の代替法を模索しています。動物愛護の精神や、動物実験に関する法的規制が強化される中、動物実験を減少させ、最終的に廃止することが重要な課題です。さらに、持続可能な開発目標(SDGs)とも関連し、環境への負荷を最小限に抑えることが求められていることから、倫理的かつ科学的に優れた代替実験法の開発が急務となっています。このような背景を踏まえ、伊藤園グループでは製品開発において動物実験を行わない方針を掲げており、より持続可能な研究方法の採用に力を入れています(※2)。


一方で、機能性表示食品(※3)や特定保健用食品(※4)の開発における基礎的研究の質の担保は、国民の健康・福祉の観点からも非常に重要です。そこで今回、伊藤園の中央研究所は、京都大学iPS細胞研究所の技術を活用することで、動物実験を行わずにお茶とその成分の有効性と安全性を検証する方法の開発を目指し、次世代の食品科学・食品産業の開拓を進める産学共同研究を開始します。本共同研究では、動物実験の代替法を確立することはその質を維持するために不可欠であることから、動物実験の代替実験法としてヒトiPS細胞やオルガノイドが活用できるか検証し、最終的には動物実験を完全に代替する新たな研究方法の確立を目指します。


今後も当社グループの使命である、「お茶とその成分を中心とした研究を行いながら、人々の健康で豊かな暮らしの実現に貢献すること」に積極的に取組み、お茶によりウェルビーイングな生活をもたらす「お茶のある暮らし」の実現を目指してまいります。


(※1)iPS細胞(Induced Pluripotent Stem Cell) : 体細胞に初期化因子を導入することで作られる細胞で、様々な細胞に分化する能力と無限に増殖する能力を持ち、再生医療への応用や新薬開発に役立てられている。


(※2)伊藤園グループ動物実験方針( https://www.itoen.co.jp/company/policy/animal/ )


(※3)機能性表示食品 : 科学的根拠を基に商品パッケージに機能性を表示するものとして、事業者の責任で消費者庁に届けられた食品。機能性を表示することができる食品は2015年までは栄養機能食品に限られていたが、機能性をわかりやすく表示した商品の選択肢を増やし、消費者が商品の正しい情報を得て選択できるように始まった制度。


(※4)特定保健用食品 : 体の生理学的機能などに影響を与える保健効能成分(関与成分)を含み、その摂取により、特定の保険の目的が期待できる旨の表示(保険の用途の表示)をする食品で、有効性や安全性について国が審議を行い、消費者庁によって許可が与えられる。



日本経済新聞

 
 
 

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