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日本初!繁殖豚の管理を高精度で行うAI技術開発、アニマルウェルフェアにも対応

Eco-Porkは、繁殖するための母豚が自由に動ける「フリーストール」飼いの環境下でも、「発情検知」、「個体識別」を可能とするAI技術を国内で初めて開発し、実証を完了しました。



このAIニュースのポイント

  • フリーストールは大きな区画において複数頭を群飼養するため、1頭1頭に合わせた管理が難しいことが課題だった

  • AIカメラによる個体識別技術、発情判定技術ともに高い精度を実現

  • アニマルウェルフェアに養豚農家が対応する際のソリューションとして、2023年度内の製品化を目指す



株式会社Eco-Porkは、今まで困難とされていた、繁殖するための母豚が自由に動ける「フリーストール」飼いの環境下でも、「発情検知」、「個体識別」を可能とするAI技術を国内で初めて開発し、実証を完了しました。


国内で飼養される繁殖豚(=母豚)のほとんどは、飼養管理の効率性・困難性の面から1頭のみを収容する「ストール」と呼ばれる柵で飼われています。ストールの中で受胎から出産までの繁殖サイクルを6回~7回程度繰り返して飼養されることが一般的です。


近年、EU加盟国を中心に動物福祉「アニマルウェルフェア*」の観点から、繁殖豚の飼養方法として、動物が動物らしく自由に活動可能な大きさの区画内で多頭飼養される「フリーストール」への転換が図られています。


アニマルウェルフェア:動物の生活とその死に関わる環境と関連する動物の身体的・心的状態。家畜を快適な環境下で飼養することで家畜のストレスや疾病を減らし、結果として生産性の向上や安全な生産体制にも繋がりうるとされ、欧州を中心に普及が進んでいる。


従来の「ストール」では1頭ごとに区切られた区画で豚が飼養されるため、それぞれの状態に合わせた管理が可能でした。「フリーストール」は大きな区画において複数頭を群飼養するため、1頭1頭に合わせたきめ細やかな管理が難しいことが、新たな課題となっていました。


今回開発された個体識別技術では、AIカメラが区画内にいる繁殖豚を自動で見つけ、それぞれの繁殖豚の耳に取り付けた識別子(耳標の色組みあわせ)を検出し、その色味の組みあわせパターンを用いて個体を特定します。移動する繁殖豚をAI技術で自動追跡し、複数の画像を用いて判断することで、99.7%の精度で個体の特定が可能です。これにより、「フリーストール」内に豚が複数飼われている状態でも、特定の豚を識別することが可能です。


発情判定技術は、AIカメラが繁殖豚の生殖器の状態をAI技術により分析し、発情/非発情のいずれであるかを判別します。生殖器の状態を適切に捉えるための最適な静止画を、AIが動画から自動取得し発情判定を行うことで、判定精度98.3%を実現しました。

豚舎の明るさや環境が異なる場合でも、判別精度を保つ事が可能です。


Eco-Porkは「国内養豚農家は、配合飼料価格・生産資材等の価格上昇や労働力の不足等により、効率化が強く求められています。本技術は養豚農家の効率化を支援するものであり、アニマルウェルフェアに養豚農家が対応する際のソリューションとして、2023年度内の製品化を目標に開発を継続します」とコメントしています。


出典:Eco-Pork



AIsmileyより


 
 
 

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